2025年最新!太陽光発電制度の変更点と保険の重要性

2025.04.30

コラム

2025年最新!太陽光発電制度の変更点と保険の重要性

2025年以降のエネルギー政策と太陽光発電市場トレンド

近年、日本政府は2050年カーボンニュートラル実現に向けて再生可能エネルギー導入を加速しています。2030年までに総発電量の36~38%を再エネで賄う計画で、そのうち太陽光発電を19~21%と大幅に増やす目標です。エネルギー価格高騰も追い風となり、企業や自治体による電力の直接購入(PPA)の動きが活発化するなど、市場は大きく変化しています。また、再エネ大量導入に備えた蓄電池の拡充や送電網強化も政策課題となっており、太陽光発電を取り巻く環境は2025年以降さらに進化していく見通しです。

こうした背景の下、地上設置型の太陽光発電システムを保有するオーナーの皆様にとって、制度変更や市場トレンドを正しく把握することが重要です。本記事では、2022年以降の太陽光発電制度の最新動向(FITからFIPへの移行、新たなPPAモデルの広がり等)を解説するとともに、最後に太陽光発電保険の必要性について述べます。大切な設備と収益を守るために、ぜひ参考にしてください。

FITからFIPへ:太陽光発電制度はこう変わった

まずは**固定価格買取制度(FIT制度)と、2022年導入の新制度であるフィードインプレミアム(FIP制度)**の変更点を押さえましょう。日本では2012年からFIT制度によって再エネ普及を進めてきましたが、2022年4月よりFIP制度が開始され、順次FITから置き換わっています。FIP制度の導入により、太陽光発電事業者の電力売電の仕組みや収入構造に大きな変化が生じています。

  • 売電先と収入の仕組み: FITでは発電した電力を電力会社が20年間固定価格で全量買い取りしてくれるため、時間帯によらず安定した収入が得られました。一方、FIPでは発電事業者が市場(卸電力取引所)や相対契約で電力を売却し、その市場価格にプレミアム(補助額)を加えることで、結果的にFITと同程度の収益になるよう設計されています。つまり、電力価格が市場連動型になった点が大きな違いです。
  • インバランス(需給誤差)対応: FITでは発電予測の誤差による調整コスト(インバランス料金)は免除されていましたが、FIPでは発電量を事前計画し、予測との差異にはペナルティ負担が発生します。このため、需要に応じた出力調整や正確な発電予測が事業者に求められるようになりました。
  • 環境価値の帰属: FIT電気の非化石価値(環境価値)は国に帰属し、環境証書として扱われてきましたが 、FIPでは非化石価値が発電事業者に帰属します。これにより、事業者自身が再エネ価値を取引・活用できるようになり、再エネ電力の証書ビジネスや企業への供給に活かせるようになっています。
  • メリット・デメリット: FITのメリットは何と言っても事業収入の安定性で、金融機関からの融資も得やすい点でした。一方で国民負担(電気料金上乗せ)が大きく、市場原理と乖離した発電が増える懸念が指摘されています。FIPは市場連動であるため消費者側の負担軽減や、売電先を自由に選べる柔軟なビジネスモデルなどの利点があります。その反面、発電事業者にはインバランスリスク等の新たな負担が生じ、収入の不確実性も増すというデメリットがあります。

以上を整理すると、FITからFIPへの移行は「国が買取保証をする時代から、市場競争とプレミアム支援による時代へ」転換したと言えます。特に50kW以上の事業用太陽光は原則FIP対象となり(10〜50kWも2023年からFIPへ移行)、今後新規案件はほとんどFIPスキームで進む見通しです。現在FIT認定を受けて稼働中の設備も、希望すればFIPへ移行可能であり(事業計画の変更認定が必要)、実際に多くの既設案件がFITからFIPへ切り替えを進めています。

広がるコーポレートPPAモデル:売電契約の新潮流

FIP時代の到来により、太陽光発電事業者は売電先を電力会社以外にも選べるようになりました。その代表例がコーポレートPPA(電力購入契約)モデルの拡大です。企業の再エネ需要が高まる中、発電事業者と企業が直接に電力売買契約を結ぶPPAが注目されています。

  • PPAモデルの種類: 一般的にPPAには(1)需要家の敷地内に発電設備を設置して電力を供給する「オンサイトPPA」、(2)離れた場所の発電所から系統を介して供給する「オフサイト(フィジカル)PPA」、(3)電力そのものではなく環境価値や価格差調整を契約する「バーチャルPPA」があります 。日本でも企業のRE100対応や電気代削減ニーズから、これらPPA契約が広がってきました。
  • オンサイトPPAの特徴: 需要家(工場や施設等)の屋根や遊休地を第三者の事業者が借りて太陽光設備を設置し、初期投資ゼロで再エネ電力を供給するモデルです。示すように「設備費用不要」「クリーンな電力でCO2削減」「非常用電源にも活用可能」「事業者が保守管理するので手間不要」といったメリットがあり、企業や自治体で導入が進んでいます。
  • オフサイトPPAの特徴: 発電所と需要家が離れている場合でも、小売電気事業者等を介して特定の再エネ電力を長期購入する契約形態です。需要家側は再エネ証書(非化石証書)と組み合わせることで、自社利用電力を再エネ化したとみなすことができます。FIP制度下では非化石価値が事業者に帰属するため、発電側と需要側の合意で環境価値を融通しやすく、FIP認定設備で企業向けに売電するケースも増えています。例えば、FIT契約中だった発電所をFIPへ移行し、特定企業とPPAを締結するといった動きも活発化しています。
  • PPA普及の背景: 背景には、企業の脱炭素目標(RE100やSDGs)があり、追加性のある再エネ電力を調達したい需要が高まったことがあります 。同時に2022年前後の燃料価格高騰で電気代が上昇し、相対的に再エネ電力の経済メリットも拡大したことから、企業側にとってもPPAで再エネを確保するインセンティブが増しています。政府も再エネ導入拡大のため、民間主導のPPAをガイドブック整備等で後押ししており、2025年はコーポレートPPA元年とも言える盛り上がりを見せています。

発電所オーナーにとって、PPAモデルの拡大は新たな収益チャンスと言えます。従来は電力会社に一本調達してもらうしかなかった電気を、需要家と自由に契約し、条件次第では市場価格+プレミアム以上の収入を得ることも可能です。また、複数の売電先を組み合わせたポートフォリオ経営も視野に入ります。ただし、長期契約を結ぶ際は信用力や契約条件の精査が必要ですし、FIPの場合は市場連動リスクも伴います。こうした新潮流に乗るかどうか含め、オーナーの皆様は自社設備の状況(FIT残存期間や立地条件)に応じた戦略を検討すると良いでしょう。

太陽光発電オーナーが直面する新たな課題

制度や市場の変化に伴い、太陽光発電オーナーにはいくつか留意すべき課題も出てきています。

  • 発電設備の長期運用と撤去費用: FIT期間終了後の設備継続利用や撤去・リサイクルの問題が顕在化し始めています。経済産業省・環境省の有識者会議では、非FIT・非FIP設備を含めた太陽光パネルの解体・リサイクル制度について検討が進められており、将来的にオーナーに適切な撤去費用確保を義務付ける制度が導入される可能性があります。オーナーは発電終了後の計画も念頭に入れ、リサイクル費用の積み立て等を検討しておく必要があります。
  • 地域共生と規制強化: 地方自治体レベルでも、太陽光発電と地域環境との調和を図る動きが出ています。例えば宮城県では2024年、森林開発型の太陽光・風力・バイオマス発電に対し「再生可能エネルギー地域共生促進税」を創設し、大型太陽光(出力2000kW以上)に課税を開始しました 。他県でも土地のゾーニング規制や、地域合意プロセスの条例化といった施策が見られます 。オーナーは新規案件の立地選定や地域説明に一層注意を払い、地域社会と良好な関係を築くことが求められます。
  • 売電価格の不確実性: FIP制度や市場連動型契約では、将来の電力価格変動が収益に直接影響します。日本の卸電力市場(JEPX)価格は需給や燃料価格で大きく変動しうるため、価格低迷期の収支悪化リスクに備える必要があります。価格変動リスクに対しては、蓄電池の併設による高値時への売電シフトや、価格ヘッジ手段(先物市場や金融商品)の活用なども検討対象になるでしょう。

以上のような課題はあるものの、適切に対応することで太陽光発電事業は引き続き魅力ある投資領域であり続けます。そして、それらと並んで忘れてはならないのが「設備のリスク管理」です。次章では、事業を安定継続する上で不可欠な太陽光発電向け保険の重要性について解説します。

太陽光発電に保険が欠かせない理由

太陽光発電所のオーナーにとって、保険加入は事業継続の生命線と言っても過言ではありません。近年は異常気象や盗難リスクの高まりにより、太陽光発電設備を取り巻く危険性が増しています。実際、2024年10月には太陽光発電向け保険料が大幅値上げされ、火災保険で約2倍、休業補償保険では約6倍もの負担増となりました。
保険各社が保険料を引き上げざるを得ないほど、被害発生が相次いでいるということです。

では具体的に、どのようなリスクに備える必要があるのでしょうか。

自然災害(風水害・雪害・落雷)による損壊: 台風の大型化や記録的豪雨により、太陽光パネルが強風で飛散・破損したり、架台ごと倒壊する事故が発生しています。大雨による土砂崩れや洪水で設備が埋没・流出するケース、雹(ひょう)や積雪の重みでパネルが割れる被害も報告されています。特に台風シーズンの被害件数は年々増加傾向にあり、ある調査では台風による電気事故の約8割が太陽光発電所関連だったとのデータもあります。
自然災害は太陽光投資における最大のリスクであり、想定外の規模の災害にも耐えうる備えが不可欠です。

  • 盗難被害: 太陽光発電所を狙った金属窃盗も深刻化しています。特に銅線ケーブルが高騰する金属価格を背景に盗まれる事例が急増しており、2024年の盗難件数は前年の2倍に跳ね上がりました 。ケーブルが切断されると送電できず発電所は停止し、修復まで長期間の収入喪失を余儀なくされます。無人で広大な土地に設置されるケースが多い太陽光発電所では、防犯対策と併せて盗難保険でカバーすることが重要です。
  • 火災・落雷事故: パワーコンディショナの発火や落雷による設備焼損事故も起こり得ます。山間部の発電所では山火事の類焼リスクもゼロではありません。万一起これば設備そのものの損害だけでなく、延焼による周辺被害にも注意が必要です。
  • 第三者への損害賠償: 強風で飛ばされたパネルが近隣の建物や人に当たってしまった、架台の一部が道路に落下して車両を破損させてしまった、など第三者に被害を与える事故も考えられます 。特に住宅地に近い場所や公共インフラ周辺に設置している場合、万一の賠償責任に備える必要があります。

以上のようなリスクは、メーカー保証ではカバーされない場合がほとんどです 。自然災害や盗難はメーカーの責任範囲外であり、オーナー自身で備えるしかありません。そこで頼りになるのが保険です。

太陽光発電向け保険の種類と補償内容

太陽光発電オーナーが検討すべき主な保険には、以下のようなものがあります 。

  • 動産総合保険(火災保険): 火災のほか台風・雹・豪雨・雪害・落雷など自然災害による設備の物的損害を補償します。また盗難による機器・部品の損失もカバー可能です。
    保険会社やプランによって細かな補償範囲は異なりますが、太陽光発電所向け火災保険は事業用では加入率が高く、複数サイトをまとめて契約できる商品もあります。
    なお地震・噴火・津波による被害は火災保険の対象外のため、必要に応じて地震保険を付帯します。
  • 休業損害補償保険: 自然災害や事故で設備が損傷し発電が停止した期間の売電収入を補償する保険です。修理完了までの間に本来得られたはずの収益をカバーできるため、ローン返済や事業継続に欠かせない安心材料となります。特にメガソーラーなど出力規模が大きいほど休業中の損失額も大きくなるため、高圧案件では加入率が高めです。
  • 施設所有者賠償責任保険: 発電設備の設置・管理ミスにより第三者に身体障害や財産損害を与えた場合の賠償責任を補償する保険です。飛散パネルによる人身・車両被害、反射光が原因の事故、感電事故などが補償対象となります。自然災害それ自体は免責となるケースが多いですが、災害時に設備が原因で生じた二次被害について備えることができます。

上記のほかにも、出力抑制保険(指定日数以上の出力制御による収益減を補填)など太陽光発電特有のリスクに対応した商品も登場しています。いずれにせよ、保険に加入しないまま発電所を運用することは重大な危険を伴うと言えます。設備に損害が出れば莫大な修繕費や収入喪失を被りますし、事故対応に奔走する間に事業継続が困難になる恐れもあります。そうならないために、オーナーは適切な保険でリスクヘッジしておくことが極めて重要です。

まとめ:保険でリスクに備え、安心の太陽光発電経営を

2025年時点での太陽光発電を取り巻く制度・市場の最新動向と、オーナーが留意すべきポイントを見てきました。FIP制度への移行やPPAモデルの拡大によって、太陽光発電事業は新たなステージに入っています。収益機会が広がる一方で、市場連動リスクや設備の長期課題にも向き合う必要があります。しかし何より大切なのは、「想定外」を想定した備えです。昨今の自然災害の激甚化や盗難リスクの増加は、オーナーにリスクマネジメントの徹底を迫っています。

太陽光発電所という大きな資産を守り、安定した発電事業を継続するためには、適切な保険加入が欠かせません。まだ太陽光発電保険を見直していない方は、この機会に是非チェックしてみてください。例えば、専門の保険サービスを利用すれば、補償内容や保険料の比較検討もスムーズに行えます。
太陽光発電所向け保険の無料見積りは、弊社までお気軽にご依頼ください。
最後にもう一度強調します。**「太陽光発電 保険」**はオーナーにとって必須キーワードです。
不測の事態にも負けない強靭な経営基盤を築き、再生可能エネルギーによる安定収益と地球環境への貢献を両立させていきましょう。事故なく、安全・安心・持続的な太陽光発電ライフを送れることを願っています。

参考文献・情報ソース:

 


 

監修者:川原 史則

「太陽光発電の保険相談所」の運営会社、株式会社FFFの代表取締役。
太陽光発電に特化した損害保険代理店歴約11年で2023年5月時点で約20,000件を超える太陽光発電の保険の契約に携わる太陽光発電の保険に関するプロフェッショナル。
太陽光発電と保険の両方に詳しい代理店は稀な為、日々全国各地から太陽光発電の保険の相談を受けている。