系統用蓄電池に関わる法規制と安全基準:遵守すべきポイント

2025.05.08

コラム

系統用蓄電池に関わる法規制と安全基準:遵守すべきポイント

再生可能エネルギーの主力電源化を加速させるうえで、系統用蓄電池(BESS)は欠かせない存在です。しかし、1 MWh 当たり数億円の設備を安全に運用するには、法令順守・安全基準・リスクヘッジ(保険)の三位一体が必須条件。本記事では ①主要法規制 ②設置・運用時の安全基準 ③規制×保険の相乗効果 を解説し、最後に複数社見積もりで最適な保険を選ぶ方法をご案内します(文字数:約2,200 字)。


1. 電気事業法・消防法など主要な法規制の概要

  • 電気事業法(経産省管轄)
    • 出力50 kW 以上の蓄電池は「発電設備」と見なされ、技術基準適合義務や工事計画届が必要。
  • 消防法(総務省消防庁)
    • 2024 年改正でリチウムイオン蓄電池の設置量別に防火区画・泡消火設備の基準を強化。
  • 建築基準法・都市計画法
    • 用途地域によっては蓄電池コンテナの設置高さや防火壁が制限対象。
  • 労働安全衛生法
    • PCS 内部の高電圧部作業は「特別教育」修了者のみ従事可能。
法令 主な主管 申請・届出タイミング 罰則/ペナルティ
電気事業法 経産省・産業保安監督部 設計/工事着手前 50 万円以下の罰金/工事停止命令
消防法 地元消防本部 設置前・変更時 使用停止命令・保険不担保の恐れ
建築基準法 自治体建築主事 着工前確認 改修・撤去命令
労安法 労基署 定期点検時 6 か月以下の懲役または50 万円以下の罰金

2. 設置・運用時に求められる安全基準と認証

  1. 技術基準への適合
    • JIS C 8715 -2(リチウムイオン蓄電池安全要求事項)や IEC 62933-5-2 に準拠。
  2. メーカー/第三者認証
    • UL 9540A 試験で熱暴走挙動を評価し、結果を消防計画書に添付しておくと審査がスムーズ。
  3. 遠隔監視・BMS 冗長化
    • 温度・電圧・SOC を 24 時間監視し、閾値超過時は自動遮断。冗長系を持たない場合、保険料が上がるケースあり。
  4. 定期点検と記録義務
    • 絶縁抵抗測定やサーマルイメージ診断を年1~2回実施し、ログを10年間保管すると査定時の証拠資料になる。

実務 Tip

  • 電気主任技術者を外部委託する際は 「系統蓄電池の保守経験」 の有無を要確認。未経験者だと消防本部の立会検査で追加質問が増えがちです。

3. 法規制と保険:遵守でリスク低減、保険でさらなる安心を

法令順守と適切な保守により事故発生確率は下げられますが、ゼロにはできません。そこで活躍するのが蓄電池向け損害保険です。

比較項目 プランA(T社) プランB(M社) プランC(A社)
物的損害上限 10 億円 10 億円 20 億円
事業中断補償 最大180日 最大365日 最大90日
免責金額 50 万円 100 万円 0 円(料率高)
サイバー特約
災害時即応支援 24hコール 24hコール+代替電源 技術者派遣
  • 電気事業法・消防法に適合していないと、保険金が減額・不担保となる可能性があるため要注意。
  • 法規制に沿った設計・施工を行い、定期点検ログを保管しておくと、事故後の保険金請求がスムーズになります。

まとめ|法令遵守+保険でリスクを最小化

系統用蓄電池は法規制と安全基準を満たすことで事故リスクを大幅に低減できますが、自然災害・人的ミス・サイバー攻撃など完全には排除できないリスクは残ります。
当サイトでは 主要な会社の保険を一括見積もりし、補償範囲・免責・保険料を横並びで比較したうえで最適プランをご提案しています。詳細は下記フォームよりお気軽にご相談ください。
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監修者:川原 史則

「太陽光発電の保険相談所」の運営会社、株式会社FFFの代表取締役。
太陽光発電に特化した損害保険代理店歴約11年で2023年5月時点で約20,000件を超える太陽光発電の保険の契約に携わる太陽光発電の保険に関するプロフェッショナル。太陽光発電と保険の両方に詳しい代理店は稀な為、日々全国各地から太陽光発電の保険の相談を受けている。