系統用蓄電池の故障リスクと対策:トラブル事例から学ぶ

2025.05.04

コラム

系統用蓄電池の故障リスクと対策:トラブル事例から学ぶ

大容量の系統用蓄電池は、再生可能エネルギーの大量導入を支える切り札ですが、機械である以上トラブルは避けられません。本稿では、実際に報告された事例をもとに「どのような故障が起こりやすいのか」「事故を防ぐ運用・保守のポイント」「万一の損失を最小化する保険活用」の 3 点を整理します。

系統用蓄電池で起こりうる主なトラブルと原因

  • セル劣化による容量低下:過充電・過放電の繰り返しにより内部抵抗が増大し、想定より早く実効容量が目減りします。結果として放電可能時間が短くなり、調整力としての価値が毀損します。

  • 熱暴走(発熱・発火):リチウムイオン系は内部短絡が引き金になることが多く、高温環境や冷却系の停止が誘因になります。2024 年の消防法改正でも泡消火設備の設置が義務付けられたように、熱源の管理は最重要課題です。

  • BMS/PCS の制御不具合:通信エラーやファームウェアのバグで保護機能が利かず、電池に過大ストレスがかかるケースがあります。海外ではソフト更新遅延で数十 MWh がダウンした例も報告されています。

  • 外部要因による破損:落雷・塩害・水害など自然災害が筐体を破損し、感電や火災に発展した例も報告されています。地盤沈下による基礎歪みが配線を損傷した事例もあり、立地選定が鍵となります。

故障や事故を防ぐための日常管理とメンテナンス

  1. 温度・電圧の常時モニタリング:センサーを系統連携し閾値超過時は自動停止。特に夏季は吸排気経路の清掃が必須で、目詰まりは熱暴走の温床です。

  2. 適正な充放電プロファイル:80–20 %の SoC 範囲に抑えることでセル寿命が最大 2 倍伸長した研究結果もあります。追加の制御ロジック導入はコスト増に見えますが、長期的には IRR を押し上げます。

  3. 定期点検(年 1〜2 回):BMS ログ解析、絶縁抵抗測定、ケーブル焼損の目視確認をセットで行うと早期予兆を捉えやすい。点検結果をデジタル化し状態基準保全(CBM)へ繋げる事業者も増えています。

  4. 保安教育とマニュアル整備:非常停止手順と消火器の配置を現場全員が共有し、訓練を半年ごとに実施。人的エラー由来の事故は 3 割を占めると言われ、教育コストは保険料低減にも寄与します。

万が一に備える:トラブル発生時の対応と蓄電池保険の重要性

トラブル発生時は①遠隔/現場で緊急停止、②周辺温度の上昇を監視し消防へ通報、③故障箇所を仮復旧し原因調査、が標準手順です。復旧費用はセル交換だけで数百万円、筐体焼損となると億単位に達することもあります。
また、事故調査期間中は蓄電池を系統運用から外す必要があり、売電収入の機会損失が発生します。こうした事業中断損失を補償する特約は海外では一般的で、日本でも 2025 年から損保各社が取り扱いを拡大中です。
加入時は免責金額補償上限代替電源費用特約の 3 点を比較するのが鉄則。保険料はシステム価格の 0.5〜1.2 %/年が目安ですが、複数社に見積を依頼することで 20 %以上のコスト差が生じることも珍しくありません。

まとめ|リスクをゼロにすることはできない——だからこそ保険で備える

系統用蓄電池はエネルギー転換の要ですが、故障リスクは完全には排除できません。日常のモニタリングと計画保全で発生確率を下げつつ、予期せぬ損失は保険でヘッジするのが最も合理的です。
当サイトでは東京海上日動・損保ジャパン・AIG など主要 5 社の蓄電池保険を最短 1 日で一括見積もり。補償範囲・保険料・免責条件を横並びで比較し、お客様の運用条件に最適なプランをご提案します。
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監修者:川原 史則

「太陽光発電の保険相談所」の運営会社、株式会社FFFの代表取締役。
太陽光発電に特化した損害保険代理店歴約11年で2023年5月時点で約20,000件を超える太陽光発電の保険の契約に携わる太陽光発電の保険に関するプロフェッショナル。
太陽光発電と保険の両方に詳しい代理店は稀な為、日々全国各地から太陽光発電の保険の相談を受けている。