対策必須!?落雷における太陽光発電の故障リスク

対策必須!?落雷における太陽光発電の故障リスク

太陽光発電は、電気設備ということから落雷によって太陽光発電が故障し発電が出来なくなってしまうという事があります。事故の多くは、設備付近への落雷による逆流雷、もしくは誘導雷が原因であることが多い傾向があり、直撃雷では落雷を受けた太陽光パネルとそこから電気的に繋がっているパワーコンディショナや計測機器などの被害などが多い傾向にあります。
特にパワーコンディショナは雷被害を受けやすい一方で太陽光パネルの被害は 比較的少ない傾向がある。また、落雷による設備異常が生じた場合、 落雷痕(焦げ)が発生せず外観では判別できないことも多いことも落雷の事故による特徴となっています。
今回の記事では、落雷による太陽光発電の故障リスクにおける保険の対策や設備対策について記載していますのでご参考いただければと思います。

 

落雷の設備対策について

①落雷により壊れるリスクの高い設備

一般的には低い電圧で作動する機器(弱電設備)の方が、落雷被害が出やすくなっています。具体的にはコンピューター 類 、各種計測機器などがあります。特にパワーコンディショナは、モジュール・連系設備・計測データの通信線などが接続されており、設備全体の要となりますが、電気的な接続が多いことから 雷による高電圧(以下 「 雷サージ 」 )が侵入するルートも多く、損傷しやすくなっています。

②具体的な設備対策

直撃雷対策の代表的なものは避雷針の設置です。野立ての施設においては、独立避雷鉄塔は設置に費用がかかるため、設置されている事例は少なくなっています。
屋根置きの場合は、一戸建住宅では避雷針が設置されている事例は少ないですが、設置する建物が20mを超える場合には、建築基準法に基づいた避雷針や水平導体が設置されているケースがあります。
また、落雷時に機器を守る方法として、(SPD Surge Protective Device)の設置があります。。
SPDは、雷サージが印加された場合に安全に大地に電流を流す装置で、対象機器を保護出来ます。

③落雷が多い地域の把握

NEDOの「風力発電導入ガイドブック」 では落雷被害への対策として「雷対策地域区分」を設定し
ているが、最もリスクの大きいAランク地域 は 、 冬に雷が発生する日本海側沿岸部に集中しています。日本海側では冬季、海から蒸発した水蒸気 にシベリア寒気団がぶつかって湿った雲を発生させ、強力な 冬季雷を発生させることがあります。このような雷発生が多い地域においては、雷被害を受けやすく高価なパワーコンディショナなどは SPDで保護することが必須と考えられます。

落雷による保険対策について

落雷による故障リスクを保険もしくは保証でカバーする為には、火災保険もしくは動産総合保険の補償内容に落雷を入れることにより落雷によるパワーコンディショナや計測機器などの弱電設備のショートによる故障などを補償することが可能になります。
保険金請求に関しては、落雷による故障は見た目で判断しずらいので発電モニターなどで発電していないことを確認した上で落雷による故障か電気的機械事故かをメーカーの機器チェックにより確認を行い落雷による故障の場合に保険金の申請をするという流れが一般的です。

まとめ

落雷が多い日本海側の地域では、設備対策や保険加入は最低限行い、冬場は天気予報をこまめにチェックしながら雨で落雷の予報があれば発電しているかの確認が必要になってきますので発電していない事が確認出来ましたらまずはメーカーにて発電していない原因を確認することが大事です。
弊社では、太陽光発電の落雷におけるリスクを保険でカバーできるプランをご用意しておりますのでお気軽にご相談くださいませ。

落雷以外の事故傾向についてはこちらの記事でご紹介しておりますのでご参照ください。
意外に知らない?日本国内で起きている太陽光発電の事故傾向について

出典:MS&ADインターリスク総研株式会社


監修者:川原 史則

「太陽光発電の保険相談所」の運営会社、株式会社FFFの代表取締役。
太陽光発電に特化した損害保険代理店歴約11年で2023年5月時点で約20,000件を超える太陽光発電の保険の契約に携わる太陽光発電の保険に関するプロフェッショナル。
太陽光発電と保険の両方に詳しい代理店は稀な為、日々全国各地から太陽光発電の保険の相談を受けている。